旅行業登録申請手続きが無事に完了すると登録行政庁より登録完了の連絡がきます。
そして、登録行政庁を訪問して登録簿を受領することとなります。
この登録簿には旅行業登録番号(ライセンス番号)が記載してありますので、旅行業登録の証明にはなりますが、旅行業協会に入会しない場合には登録簿受領後にも営業保証金の供託手続きが必要となります。
また、旅行業登録簿を受領した日から、14日以内に『旅行業者営業保証金に係る届出』の届出手続ききが必要となりますので注意しましょう。
この手続きを済ませるまでは、旅行業の営業を開始することはできませんし、手続きには期限が決められておりますので必ず期限内に手続きをしましょう。
今回は、旅行業登録手続きのご依頼をいただきましたお客様の営業保証金の供託手続きサポートを提携司法書士と実施してきましたので全体の流れをご案内していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
目次
旅行業者営業保証金の供託とは
旅行業は、お客様から旅行代金を先に預かり、その後に旅行サービスを提供します。
しかし、万が一旅行会社が倒産をしてしまうと、旅行者は旅行サービスを受けることができない恐れがあります。
そのため旅行業法では旅行業登録している事業者においては『旅行種別』や『取引見込み金額』に応じて、営業保証金という名の担保を国(法務局)に預けるように定めたのです。
そして、この手続きのことを供託手続きと呼びます。
また旅行業法では、営業保証金供託手続きは営業所の最寄りの供託所で供託手続きを実施し、その旨を登録行政庁へ届出る義務を定めています。
つまり、新規で旅行業登録をして登録簿を受領した後には、14日以内に営業保証金の供託手続きを完了させ届出する必要があるのです。
14日という期間はすぐに経過しますし、供託手続きをする法務局は、平日しか営業しておりません。
登録行政庁から登録完了の連絡があった場合には計画をもって供託手続きを進めなければ期限切れとなってしまうでしょう。
登録簿受領から14日以内に供託届書を提出
営業保証金の供託手続きは、旅行業登録簿を受領した日から14日以内にすべておわらせなければいけません。
もしも、本業や他の業務で供託手続きをすることができない場合には、14日以内の手続きが困難となる恐れがあります。
その場合には、時間調整ができるまで登録簿を受領するのをやめましょう。
なぜなら、供託手続き期限はあくまで旅行業登録簿を受領した日から14日以内となります。
つまり登録簿を受領しなければ14日の期限はスタートしないのです。
とりあえず登録簿がほしいからと、忙しいのに受領してしまうと供託期限はスタートしてしまいます。
また、登録簿を受領しても、営業保証金を供託し、届け出をするまでは、営業行為はできないのです。
どのみち旅行業の営業行為ができないのであれば、供託手続きができるタイミングまで登録簿は受領しない方が良いのです。
登録簿の受領タイミングについては登録行政庁としっかりと打ち合わせをしながら、供託手続きにあわせて受領することをおすすめ致します。
旅行業の営業開始に必要な供託手続きの方法
供託手続する金額は登録する『旅行業種別』や、予定する『旅行業取引金額』により異なります。
一方で、供託の手続き自体は同じですので、次のステップで進めましょう。
登録業種と取引見込み額を確認し、必要な営業保証金額を準備しましょう。営業保証金の供託手続きは、旅行業登録簿を受領してから14日以内しかありませんので、あらかじめ、供託に必要な金額を供託できるように準備しておきましょう。また、営業保証金を供託した後は、旅行業を廃止するまで返却されません。つまり、『預けっぱなし』となってしまいます。資金繰りも考えた上で供託手続きを進めていきましょう。
供託手続きを進める上では、必要事項を確認します。旅行業登録のための供託手続き方法は決められております。記載マニュアルに沿って必要事項を記載していきましょう。また、旅行業の登録番号(ライセンス)については登録簿を受領するまでわかりません。そこで、登録番号以外の情報を先に把握し登録番号は登録簿を受領次第確認しましょう。
供託届出書記載マニュアル
供託届出書には、以下の事項を記載する必要があります。
旅行業営業保証金を供託申請する日付を記載します。
営業所最寄りの供託書へ供託手続きをします。
供託者の住所と氏名を記載します。
法人の場合は法人の所在地と名称と代表者の氏名を記載しましょう。
登録行政庁と登録番号を記載します。
例えば、東京都知事登録旅行業第〇ー〇〇〇号などと記載します。
登録種別と見込み取引額によって供託金額は異なります。
自分の登録種別と取引金額を確認して金額を記載しましょう。
原則としては、第一種旅行業の場合は最低7,000万円です。
第二種旅行業の場合には最低1,100万円です。
第三種旅行業の場合には最低300万円となっております。
供託する法律根拠を記載します。
新規登録の場合には、旅行業法第7条1項と記載します
供託する理由を記載します。
新規で旅行業登録をするための供託においては、登録種別と年間取引見込み額を記載して供託金額がいくらであるかを明らかにしましょう。
供託手続きに必要なのもの
供託手続きに必要となるものは以下の通りです。
供託に必要となるもの
- 供託用紙
- 資格証明書
- 供託金
- 委任状(代理人申請の場合)
供託に必要な用紙は、供託所にて入手できます。
専用の用紙がありますので、必ず供託所でもらった用紙に記入しましょう。また、記載に必要な項目が多々ありますので、供託書の記載マニュアルを参考に記載項目をあらかじめ確認しておくことをおすすめ致します。

供託金においては、現金を持参して納付する方法と電子納付をする方法があります。
代理人が手続きする場合には委任状が必要となります。
営業保証金の供託手続きが完了した後には登録行政庁へ届出が必要
営業保証金の供託手続きが完了した後には登録行政庁への届出が必要です。
法務局での供託を完了すると『供託書』がもらえますので、『旅行業者営業保証金供託届出書』と一緒に登録行政庁へ書面を届出をしましょう。
届出方法は、郵送でも持参しても構いません。
ただし、登録簿受領から14日以内に届出が必要となりますので必ず期限内に手続きを実施しましょう。
旅行業者営業保証金供託届出書には、登録番号をはじめ供託番号などの情報を記載する必要があります。また、新規旅行業登録の場合には、旅行業法第7条第1項に基づく届出となりますのでチェックを入れましょう。必ず旅行業登録申請書類に押印した法人印を押印しましょう。
旅行業登録後の営業保証金供託マニュアルまとめ
旅行業の登録手続きが完了した後、営業を開始するためには、営業保証金の供託手続きが必要となります(旅行業協会の保証社員は除く)。
また、営業保証金の供託手続きには期限が定められており、旅行業登録簿を受領してから14日以内に手続きを終わらせ、録行政庁へ届出をしなければいけません。
手続き自体は難しくありませんが、ご自身での手続きが難しい場合には専門家の力をかりながら進めてみると良いでしょう。
営業保証金の供託届出が完了すれば、正式に旅行業営業がスタートできます。