旅行業登録件数が一番多い都道府県は東京都です。
その数は圧倒的で、全国の3割以上が東京都で旅行業登録をしております。
そこで、今回は、東京都での旅行業登録において実際に手続き代行をさせていただいた実務事例を中心に紹介していきたいと思います。
これから、東京都内で旅行業登録を目指す方や登録職種の変更を検討している方においても参考になると思いますのでぜひ活用してみてください
目次
全国で旅行業登録が一番多いのは東京都
日本の首都であることから、経済の中心でもあり、東京タワーやスカイツリーなど豊富な観光地もたくさんあります。
また、羽田空港や成田空港など空のアクセスや、全国を結ぶ列車やバス等の陸のアクセスが良いことも東京都内で旅行業を始める方が多い理由の1つでしょう。
東京都知事登録旅行業者等数(平成26年7月31日)出展:東京都
旅行業登録をしている事業者の数は以下の通りとなります。
そして、東京都で旅行業を営む事業者の数は、全国の事業者のおよそ3割近くを占めております。
第3種旅行業に登録している事業者の数は1,414者
地域限定旅行業に登録している事業者の数は3者
旅行業者代理業に登録している事業者の数は128者
東京都旅行業登録は他の都道府県よりも要件が難しい?
東京都で旅行業登録を目指している方は数多くいると思います。
弊所でも、東京都内をはじめ、千葉県、埼玉県、神奈川県、茨城県など首都圏地域で旅行業登録を希望されているご依頼者様から多くのご相談をいただいております。
また、第一種旅行業であれば、観光庁(国土交通省)が窓口となりますが、第二種旅行業登録や第三種旅行業登録の場合には、都道府県の商工労働部観光企画課が担当することになります。
つまり、旅行業を営む予定の都道府県観光課に対して旅行業登録申請手続きをする必要があるのです。
そのため、第二種、第三種旅行業を営む営業所が東京であれば、東京都知事の許可を取得し、
旅行業の営業所が千葉県内にあれば千葉県知事の登録、埼玉県であれば埼玉県知事の登録が必要となるのです。
先ほど、全国にある登録旅行会社の3割が東京都内にあるとお伝えしましたが、旅行会社においては東京都内に営業所があるケースが3割を超えているのです。
それほど、東京都が旅業行ビジネス向きの都市であると言えるでしょう。
それでは、実際に東京都内で旅行業登録をする場合と、他の都道府県で旅行業登録をする場合とで、登録要件の違いがあるのかどうかを確認していきたいと思います。
旅行業登録に必要となる要件は同一
旅行業登録に関する要件については、東京都知事登録の場合も、それ以外の都道府県(千葉県、神奈川県、埼玉県)のケースであっても同一です。
例えば、登録種別ごとに定められた、基準資産額や営業保証金(弁済業務保証金)といった、財産要件も、すべての都道府県において要件は同一となります。
また、国家試験に合格している旅行業務取扱主任者を専任で営業所に配置させる要件においても東京都もそれ以外の都道府県も同一となっております。
つまり、旅行業登録の主要な要件においては、東京都で旅行業登録する場合も、東京都以外(千葉県、神奈川県、埼玉県)の都道府県で旅行業登録する場合も、同一要件となるなのです。
しかし、登録に必要な証明資料は、東京都と他の都道府県では異なるケースがあります。
それでは、東京都と他県で旅行業登録に必要となる証明書類が異なるケースを確認していきたいと思います。
旅行業登録において事務所の要件
旅行業の登録をするには、旅行業を営む営業場所を決めて登録の申請をする必要があります。
例えば、法人で旅行業を営む場合には必ずしも本店でなくてもかまわないのです。
つまり、会社の登記事項証明書に記載されている本店所在地と旅行業の営業場所が同一場所とは限らないということです。
そのため、登記事項証明書の住所が東京都内であっても、旅行業を営む営業所が埼玉県であったり、千葉県であったりもするのです。
そして、これらのケースでは、旅行業登録は本店の所在地ではなく、旅行業を営む営業所がある都道府県知事の旅行業登録が必要となるのです。
つまり、旅行業登録が全国で一番多い東京都知事登録については、旅行業の営業所が東京都内にあることは間違いありませんが、法人の本店所在地は東京都内にあるとは限らないのです。
それでは次に、東京都と他県で旅行業登録手続きに必要な書類が異なる具体例を確認していきます。
東京都の旅行業登録と千葉県の旅行業登録の違い
成田空港やディズニーランドがある千葉県も旅行業登録が多い地域です。
そして、第二種旅行業、第三種旅行業など旅行業の営業所を千葉県に設ける場合には千葉県知事の登録が必要となります。
それでは、東京都知事の旅行業登録を受ける場合と千葉県知事の旅行業登録を受ける場合の手続きにおいて違いがあるのかどうかを確認していきます。
東京都知事登録と千葉県知事登録で異なる証明書類
同じ旅行業登録をする手続きであっても、東京都知事登録と千葉県知事登録では必要となる証明書類が異なるケースがあります。
例えば、営業所の証明書類です。
旅行業登録手続きをする段階で、旅行業の営業所を決めておく必要があります。
また、旅行業の営業所として利用する目的で賃貸借契約書を結ぶのが通常です。
そして、東京都知事登録の場合には、事務所の賃貸借契約書の写しを登録申請書類に添付します。
しかし、千葉県知事登録の場合には、営業所の賃貸借契約書の写しは登録申請書に必要となる添付書類とはなっておりません
(平成30年8月現在の情報であり、今後変更となる可能性がありますのでご注意ください)
おそらく、東京都では旅行業の事務所には多くのお客様が訪れ旅行商品の購入や契約をすることを想定し、継続的に旅行業を営む場所が確保されているかの証明を求めているのに対し、千葉県では、これらの証明書類の提出は義務とはなっていないのです。
また、東京都の場合には賃貸借契約書の中で旅行業の営業を行うことの記載が見られない場合には、所有者または管理会社の使用承諾書の提出が必要となるケースもあります。
そして、これらの手続きが進まない場合には旅行業登録をすることは難しい場合が多いでしょう。
これらの内容は、一見細かな内容であるため複雑に捉えがちですが、専門家が対策をすることで旅行業登録は十分に可能となります。
ご自身での手続きが不安である場合には、専門家へ相談してみると良いでしょう。
旅行業登録の専門家へ依頼するメリット
第1種旅行業登録手続きは観光庁(国土交通省)への手続きですが、それ以外の手続きは旅行業を営む営業所の都道府県知事登録が必要です。
そして、登録する都道府県により旅行業登録に必要となる書類が少しづつ異なる可能性もあります。
そのため今回ご紹介した、東京都知事と千葉県知事の登録手続きのように、事前に各都道府県の特徴をとらえておくことは非常に重要となります。
また、これらの特徴は旅行業登録の専門家でなければ、把握が難しいケースが多いです。
そのため旅行業登録を確実に進めていきたい方にとっては、旅行業登録専門の行政書士を活用することをおすすめ致します。
東京都旅行業登録まとめ
旅行業登録事業者数が日本で一番多い都市は東京都です。
そして、登録業者数が多いということは、登録担当者(東京都担当)も手続きには慣れております。
そのため、登録手続きで必要な証明が取れなかったり、不審点があれば旅行業登録ができない可能性すらあるのです。
また、今回の記事でご案内したように、各都道府県毎に旅行業登録に必要な証明書類や手続きが異なるケースもあります。
東京都で旅行業登録を目指す方においては、今回の記事を参考にしていただき、必要となる証明書類をしっかりと確認することをおすすめ致します。